カナヘビには紫外線(特にUV-B)が大事です。UV-Bに当たらないとビタミンDを体内で合成できず、カルシウムを吸収できなくなり、くる病にかかってしまいます。
餌にビタミンDを混ぜる方法もありますが、過剰摂取の問題が出てくるので、一番良いのはUV-Bを当てて、自分で体内合成してもらうのが良いです。
UV-Bを当てるのに一番良いのは日光浴。ただし、UV-Bはガラスを通過できないので、直射日光を当てて上げる必要があります。
とはいえ、室内で飼うと直射日光を当ててやるのは難しいので、紫外線ランプが必須です。
カナヘビは草むらの中にいることも多いですが、日向の石の上で見かけることも多く、日光浴はたくさんやっているように見えます。ネット上の記事でも、カナヘビが必要とする紫外線量は多いという話が多いです。
そのため、しっかりと紫外線を出すランプを使う必要があります。紫外線ランプも良いですが、メタルハライドランプ(通称、メタハラ)が良いように思います。
なお、紫外線ランプの使用説明書には、1年をめどに交換してくださいと記載されていることが多いですが、これは、使っているうちに紫外線が出なくなるためです。1年もすると、紫外線量はゼロになりますので、1年を待たずに交換してあげる必要があります。
紫外線の効用
紫外線は、波長によりUV-A、UV-B、UV-Cに分類されています。
UV-A(波長:315nm~400nm)
脱皮や食欲促進、生殖機能を刺激する働きがあります。太陽から届く紫外線の約9割はUV-Aです。雲・ガラスも通過します。
UV-B(波長:280nm~315nm)
骨や歯の形成に必要なカルシウムの吸収を促進するビタミンDを体内に作り出す働きがあります。ガラスを通過できません。
UV-C(波長:100nm~280nm)
殺菌効果があります。太陽からのUV-Cは、オゾン層で吸収され地表にはあまり届きません。生体への影響が大きいため、紫外線ライトを選ぶ際にはUV-Cが発生していないものを選ぶ必要があります。
2020年3月30日に神戸大学から、UV-Cのうち波長が222nmの殺菌灯は人体に影響がない(通常の254nmの殺菌灯は人体に有害)という研究結果が出されています(https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/collaborations/2020_03_30_01.html)。とはいえ、かわいいうちの子を実験台にはしたくないので、現時点ではUV-Cは避けたほうが良いと考えています。
うちの紫外線ライトの実測値とこれまでの経緯
うちのかなへび達のグッズは、GEX社のものが多いので、紫外線ランプもGEX社のものを使っています。
最初に購入したのは使っていたケージ「レプテリア クリア450スリム」のサイズ(幅45×奥行23×高さ25cm)に合わせて、ライトの本体はコンパクトトップ45で、ランプ球はナチュラルライト13WとレプタイルUVB100 26Wでした。
GEX レプテリア クリア450スリム
GEX エキゾテラ コンパクトトップ45(2灯式) PT2226
GEX エキゾテラ ナチュラルライト 13W PT2190
GEX エキゾテラ レプタイルUVB100 26W PT2187
その後、大きいケージ「グラステラリウム6045」にしたので、サイズ(幅61.5×奥行46.5×高さ48cm)に合わせて、コンパクトトップ60を入れました。ランプ球は、当初は以前と同じでナチュラルライト13WとレプタイルUVB100 26Wにしていましたが、1ヶ月もしないうちにレプタイルUVB150 26Wに替えました。
これは、ケージの高さが高くなったことで、ケージの底を這っているかなへび達に届くUV-Bの量が減少するためです。とはいえ、45cmも離れるとあまり違いはないのですが。
エキゾテラ レプタイルUVB100(左表)とUVB150(右表)の紫外線量
GEX エキゾテラ グラステラリウム 6045
GEX エキゾテラ コンパクトトップ60(3灯式) PT2227
GEX エキゾテラ レプタイルUVB150 26W
正確にどの程度のUV-Bが届いているのかを確認するには、UV-B測定器を使えばよいのですが、どの程度信頼できるのかわからない安い機器と、信頼性は高いけど値段も高い機器の2つに分かれるので、UV-B測定器は見送りました。
その代わりに、UVI(UVインデックス)を使うことで代用できるという情報を見つけた(ファーガソンゾーンを利用する方法。詳細は別記事)ので、試しに測定してみることにしました。利用したのは、佐藤計量器製作所 パーソナル快適チェッカー PC-7960GTIです。
佐藤計量器製作所 パーソナル快適チェッカー PC-7960GTI
パーソナル快適チェッカーで測定した結果がこちら
コンパクトトップ60でのUVI
手元にはUVB150 26Wが2本、UVB100 26Wが1本あったので、それぞれを組み合わせて測定しました。
コンパクトトップ60はランプを3個つけられるので、1本はナチュラルライト、2本(もしくは1本)をレプタイルUVBにする想定としています。
測定の結果、2本使った場合のUVIは、それぞれのランプの数字の合計になることがわかりました。
現在メインで使っているGEX エキゾテラ グラステラリウム6045は高さが45cmのケージなので、UVB150を2本使っても0.3~0.4しかありません。これは、ファーガソンゾーンのゾーン1(薄明薄暮性・日陰性)の爬虫類用相当です。
また、以前からGEX レプテリア クリア450スリムは高さが25cmのケージなので、UVB100を1本だけ使用していた当時も0.3しかなかったことに気がつきました。これではかなへびには全然足りませんでした。
UVB150を2本にしたときの45cmの位置は、以前と同じ紫外線量ではありますが、日光浴を良くするカナヘビには少な過ぎます。以前は、毎朝の掃除のときに玄関先の直射日光の当たるところに出していたので、その間に受けた紫外線でビタミンD不足にならずにすんでいたことを痛感しました。太陽さまさまです。
なお、上記の数字は直接ライトが当たるときの数字です。金網越しの場合はその約半分くらいになることがわかったので、新しいケージでは紫外線は全然足りていません。(以前は、天板を半分外してコンパクトトップ45を設置していたので、直接ライトを浴びることができていました。)
紫外線ライトの種類
紫外線専用のライトは赤外線が含まれておらず、ケージ内の温度を上げることはできません。一方、局所的に温かい場所(ホットスポット)を作り出すバスキングライトは赤外線や熱を出すことが主目的で紫外線が含まれないものがほとんどですが、メタルハライドランプのように紫外線も照射できるものもあります。後者の場合は、紫外線ライトとしても利用できます。
紫外線ライトは形で分けると大きく2種類に分かれます。
直管蛍光灯タイプ・・・直管形の蛍光灯で幅の広い範囲に光を照射できるため、ケージ内全体に紫外線を照射できます。コンパクトタイプよりも強力な紫外線が出ます。
電球タイプ(コンパクトタイプ)・・・特定のエリアにのみ紫外線を照射します。蛍光灯をスパイラル状に巻いた形のものや、短い直管が複数本繋がった形です。
発光原理で分けると、蛍光灯、LED、HIDの3種類です。
蛍光灯・・・市中によくある蛍光灯は紫外線は出ませんが、紫外線がでるようにしたものです。手頃な値段で購入できます。紫外線量は、3種類の中では一番少ないです。電球のソケットになっているものは、普通の電球のソケットが利用できるものが多いです。
LED・・・発熱が少ないので、夏場に良さそうです。蛍光灯よりは高価ですが、HIDよりはかなり安いです。紫外線量も、蛍光灯とHIDの中間くらいです。ソケットは特殊なものになっていることも多いです。
HID・・・High Intensity Dischargeの略で、ランプ球の中にガスを封入してアーク放電によって光らせています。車のライトなどによく使われていますが、爬虫類の飼育ランプとしても使われています。水銀灯、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ(通称メタハラ)などがあります。ソケットは電球と同じように見えますが、コンセントとソケットの間に、安定器と呼ばれる装置が必要です。非常に明るく、また、紫外線のみならず可視光線や赤外線もかなり強力に出すので、非常に高い温度が必要な生体を飼育する場合を除き、紫外線ライトとバスキングライトの兼用としても使えます。高機能な分、値段も3種類の中では一番高いです。
紫外線ライトの注意点
紫外線専用のライトは赤外線が含まれておらず、ケージ内の温度を上げることはできませんので、暖かくするためのヒーターや局所的に暖かい場所(ホットスポット)を作り出すためのバスキングライトが必要になります。
UV-Bの量は、紫外線ライトから離れれば離れるほど大きく減少してしまうため、ケージの外に取り付けるタイプの紫外線ライトを設置する場合は、設置場所と生体との距離を確認してライトを選ぶようにします。
また、紫外線ライトには、UV-Bの強さを2.0、5.0、10.0のような数字で表している商品もあります。この数字は、紫外線ライトが出す光の中でUV-Bが占める割合を表しており、例えば2.0なら2%、5.0なら5%、であることを指しています。
砂漠と熱帯雨林では紫外線の強さは当然違いますので、飼育している生体が本来生息している地域の紫外線量に近いライトを選んであげます。また、同じ種類であっても成長期や産卵期などで通常以上に紫外線が必要になることもあります。
参考
10.0…砂漠やサバンナのような特に紫外線の強い乾燥地帯に住んでいるもの
5.0…一般的な爬虫類
2.0…熱帯雨林の森や林床などあまり日の当たらない場所に住んでいるもの
また、紫外線には明るさがありませんので、光の中に含まれるUV-Bの量が増えると、その分、ライトの明るさが暗くなります。そのため、ケージ内を明るくするための可視光線ライトも別途用意する必要があります。
その他、スパイラルタイプの紫外線ライトを使用中に目を閉じてしまう例があるようですし、うちのかなへびたちも片目を閉じてしまうことがありました。これは、可視光線不足が原因になっている場合も考えられますので、もし同じような症状が出た場合は、強めの可視光線ライトを併用することで改善できるかもしれません。
これは、紫外線の割合が多く可視光線の量が少ないため、明るさが暗く見えるために瞳孔が開き、眩しく見えるためと考えられます。瞳孔が開いているため、目の中の水晶体や網膜が紫外線の影響を受けることが懸念されますので、可視光線ライトで明るさを補う必要があるということになります。
具体的には、ランプを2個以上設置できる2灯式(もしくはそれ以上)の取り付け器具を使い、1本は可視光線が明るい蛍光灯を設置するようにします。
また、UV-Bのみを強く出すライトの場合、色が自然の光とは異なると生体が落ち着かない可能性があります。最近の爬虫類用紫外線ライトは自然の光に近い色合いにして、UV-Aの光もしっかりと含まれたライトもあります。
紫外線ライトはしっかりとした知識を持って選ばないといけません。
ジェックス エキゾテラ レプタイルUVBシリーズ(とナチュラルライト)
我が家で使っているGEX レプタイルUVBシリーズは、HAGENグループ(http://www.hagen.com/)のExo Terraブランド(http://www.exo-terra.com/)のサイトで、Repti Gloの後継品であることが書かれており、UVB100はRepti Glo 5.0、UVB150はRepti Glo 10.0の後継であることが書かれていますので、紫外線の割合はそれぞれ5%と10%と思われます。また、商品ページでは、それぞれ40cm、50cmまで効果があると書かれています。
http://www.exo-terra.com/en/products/reptile_uvb100.php
http://www.exo-terra.com/en/products/reptile_uvb150.php
ちなみに、Exo TerraブランドにはUVB200というものもありますが、日本のジェックス社からは販売されていないようです。
http://www.exo-terra.com/en/products/reptile_uvb200.php
また、同ページから辿れるInfosheet(http://www.exo-terra.com/download/sales_sheets/Sales_Sheet_Reptile_UVB_NA-EU.pdf)に基づくと、距離とUVBの強さ、ビタミンD3の1分あたりの生成量(国際単位表記)、ルクス(Lux)は以下の通りです。また、スペクトラムも記載されています。
(参考:26W版はUSでは26Wと表記され、EUでは25Wとして表記されています。ここではUS版を引用しました。)

(出典:http://www.exo-terra.com/download/sales_sheets/Sales_Sheet_Reptile_UVB_NA-EU.pdf)
可視光線用にはナチュラルライト 13Wを使用しているので、参考情報として引用します。
(ジェックス社のサイト記載の情報と、Exo Terraブランドのサイト記載の情報を併記)
余談
日本で手に入れるのは難しそうですが、Exo Terraブランドのページに掲載されているReptile Visionランプが欲しいです。
爬虫類の目に合わせた色合いにしているとのことで、UVBランプと組み合わせて使うと良いらしいです。
人間は光を感じる受容体が3種類しかないのに対して、昆虫や鳥、爬虫類などは第4の受容体があり、UVの光が見えるとのことで専用のライトが用意されたようです。
下の図の下部にあるグラフが人間の視覚(上)と爬虫類の視覚(下)の違いを表しており、この情報に基づくと、爬虫類の視覚は350~400nmのUV-Aの領域が見えています。(UV-A=315~400nm、UV-B=280~315nm、UV-C=100~280nm)
最終的に(メタルハライドランプを導入した)
ケージの高さが45cmで、レプタイルUVB100 26W x 2本 + ナチュラルライト 13Wの3本構成にしてから約1ヶ月後、ちびちゃんがくる病の症状を出してしまったため、UVB100をUVB150に変更しました。
加えて、メタルハライドランプ「ソラリウムUV 50W」も購入して、100cmくらい離れたところから広めに当てています。金網越しです。
ゼンスイ ペットペットゾーン ソラリウム UV 50Wセット
余談:当て始めてから、かなちゃんの繁殖活動が活発になりました。これまでは、夏場にメスと一緒に入れていても交尾しようとしなかったので、メタルハライドランプは効果抜群だと思います。
メタルハライドランプを選ぶにあたって、消費電力が低く、(夏場に備えて)熱をあまり出さないLEDが良いと考え、ゼンスイ ペットペットゾーンから出されているマイクロ UV LEDを狙ったのですが、売り切れだったのでLEDを諦めてメタルハライドランプにしました。
メタルハライドランプといえば、スドーのソラーレが人気だったようですが廃盤になってしまっており、中古で入手するしかないとのことでした。中古だと壊れていることもあるし、個人的に中古品は嫌いなので、ゼンスイのソーラーラプターHID(ソーラーラプターUVは安定器内蔵の水銀燈で別製品)と、同じくゼンスイ ペットペットゾーンのソラリウム UVで悩み、ソラリウム UV 50Wにしました。(メタルハライドランプとしては、それ以外にZoo MedのパワーサンHIDもありますが、吊り下げ式だったので候補から外しました。なお、パワーサンUVは水銀灯で別製品です。)
決め手は、ソラリウムの方が後から発売されており、安定器で出力の切り替えができるため、ランプを交換すれば本体は1つでW数を変えることができること。他にも、スタンドクリップで留める以外にも、ドームタイプとしても利用できるというのもGood。さらに、本体も交換ランプもソラリウムの方が安いですし。出力されるUV-Bの量はどちらも同じようです。
色温度はソーラーラプターHIDが5000K(昼白色、正午の太陽の色?)なのに対して、ソラリウムが6000K(昼光色)なので、気持ち青みがかっているように感じるかもしれません。(ソラーレも6000Kのようです。)
自然光などの朝日や夕日の色温度は、およそ2000K、太陽光は 5000~6000K程度、人工照明では、ろうそくが約2000K、白熱電球や電球色の蛍光ランプが約2800K、昼白色の蛍光ランプが約5000K、昼光色の蛍光ランプが約6500Kです。(出典:https://led-denkyu.co.jp/faq/1117.html)
レプタイルUVBシリーズ同様に、ソラリウムUV 50WのUVインデックス実測値は以下の通りです。かなり強力に紫外線が出ていることが分かります。
2022年1月10日追記
マイクロン UVB LEDを購入したので、UVインデックス実測値を測定。パーソナル快適チェッカー PC-7960GTIで測定できる波長域とずれているのか、散々な結果に。
波長域がずれていると感じたのは、パッケージに描かれていた波長域の図を見てです。ゼンスイのページにも書かれていますが、照射されているUVB(やUVA)の波長域が狭いため、UVインデックスの計算において、数字に現れてこないのだと考えました。(UVインデックスの理論についてはこちら)
ソラリウムは以下のような波長域になっています。ソラリウムではUVAの範囲ですが360nmくらいにピークが有り、340~380nmくらいにも1/3くらいあります。UVBの範囲では300nmを超えたあたりで少し出ているかという感じでしょうか。縦の軸の単位がわからないのでなんとも言えないですが、この図からはマイクロUV LEDとソラリウムのどちらがUVBが多く出しているのかはわかりません。
しかし、UVインデックスではUVBの波長域の人体への影響度を計算しているので、上記のUVインデックスの表に基づくと、ソラリウムの方が強いはずです(と信じています)。
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