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2021年12月4日土曜日

UVBの測定にUVIを利用してはどうだろうか

UVB測定器は高価すぎて手に入れることができないので、ネットで色々と勉強をした結果、UVBを測定せずとも、UVI(UVインデックス)を測定することで目的(ビタミンDを生成するための紫外線があたっていることの確認)を達成できることが理解できたので、情報をまとめます。

どういうことかというと、、、、

  1. UVB測定の目的は、カルシウム吸収に必要なビタミンD(プレビタミンD)の生成にはUVBが必要であるから、UVBが足りているかを測定しようとしている。

  2. 言い換えると、ビタミンDを体内で生成するための紫外線があたっているかを測定したいのであり、UVBの測定はそのための手段に過ぎない。

  3. ビタミンDを体内で生成するための紫外線(「ビタミンD生成紫外線」と呼ぶ)があたっているかを測定するにあたり、人体での研究にはなるが、「紅斑紫外線」の量がビタミンD生成紫外線の量と非常に似た関係にあることが分かっている。(国立環境研究所 地球環境研究センターの記事

  4. 紅斑紫外線の量はUVIで知ることができる。

  5. UVIは測定する機械が入手しやすい価格で流通している(UVB測定器は高い!)ので、自分でも測定することができる。

ということで、UVI測定器を入手しました。

UVIが分かるようになったところで、生体にどの程度のUVIを当ててあげればよいのかを知りたくなります。これは、ファーガソンゾーンを調べることでわかります。(ファーガソンゾーンについては別記事)


上記について、もう少し詳しく整理します。


UVB測定の目的

人間もですが、特に爬虫類が健康に生きるためには十分なカルシウムが必要です。カルシウムは骨や甲羅の成長に欠かせませんが、体内に吸収するカルシウムが不足することで、代謝性骨疾患(MBD)になり、骨の異常形成や低カルシウム症が発生します。よくある例が、くる病です。

爬虫類の体は血中のカルシウム濃度が低下すると、骨からカルシウムを放出して不足分を補います。一時的に溶け出しても再度補給されればバランスが保たれるため問題はありませんが、溶け出すだけであればバランスが崩れてしまい、骨が脆くなって骨折しやすくなったり、異常形成を起こして骨格が隆起するなどの異常が発生します。

生体がカルシウムを体内に取り込むには、適度な量のビタミンDが必要になります。ビタミンDは、餌に混ぜるなどにより経口摂取するか、紫外線(UVB)を浴びて体内合成することで体内に供給することができます。しかし、ビタミンDが過剰摂取されてしまうと、逆にカルシウム不足を招くため経口摂取の場合には注意が必要です。

なお、UVBを浴びることによる体内合成ではビタミンDの過剰生成ということは発生しないため、経口で与えるよりもUVBを照射するほうが安全です。

そのため、UVB測定は、飼育している生体が適度な量のビタミンDを体内合成するために必要なUVB(ビタミンD生成紫外線)を浴びられているかを確認することが主な目的となります。

言い換えると、ビタミンD生成紫外線量を測定することにより、UVB測定の主目的を達成することができると言えます。


UVBの波長とビタミンDの生成

UVBの波長は290~320nm(地球環境研究センターでの定義。いくつかの定義があるので、この記事では各節で参照している出典元に合わせます。)ですが、波長によってビタミンDの生成量が異なります。例えば、290~300nmのUVBはビタミンD生成の作用が最も大きいですが、310~320nmになると10分の1~100分の1程度に弱まってしまいます。

国立環境研究所 地球環境研究センターから、下図のようなグラフが公開されています。

紅斑紫外線とビタミンD生成紫外線の作用曲線
(出典:https://db.cger.nies.go.jp/dataset/uv_vitaminD/ja/exposition.html)


このグラフにおいて、横軸は光の波長を、縦軸は各波長の光の中に含まれる成分(後述)の割合を示しており、上に行くほど濃く、下に行くに従い、ひとつ上の目盛りの10分の1になります。

青の破線でビタミンD生成の作用の強さ(ビタミンD生成紫外線量)が表されており、この場合、縦軸は「当該波長の光の中に含まれるビタミンD生成作用を持つ成分の割合」と読み替えることができます。UVBの波長は290~320nmですので、前述の通り、290~300nmあたりが最もビタミンD生成作用が強いことがわかります。

青破線とよく似た形で、赤色の実線が描かれていますが、これは「紅斑紫外線」の量を表しています。この場合の縦軸は、「当該波長の光の中に含まれる紅斑紫外線の割合」となります。紅斑とは紫外線を浴びた後皮膚が赤くなることで、紅斑紫外線とは皮膚に赤い日焼けを生じさせる紫外線のことです。

このグラフから、各波長において、紅斑紫外線の量と、ビタミンD生成紫外線の量はかなり似通っていると言えます。(315nmよりも長い波長では、紅斑紫外線量は多少はあるものの、ビタミンDは全く生成されていないという状況になりますが)


紅斑紫外線量とビタミンD生成紫外線量の関係

同じく、国立環境研究所 地球環境研究センターから、下図のようなグラフも公開されています。

地上に到達した紫外線の中に含まれるビタミンD生成紫外線量に対する紅斑紫外線量 (計算値)
(出典:https://db.cger.nies.go.jp/dataset/uv_vitaminD/ja/exposition.html)

このグラフでは、縦軸がビタミンD生成紫外線の強さ(量)、横軸が紅斑紫外線の強さ(量)を表しており、ビタミンD生成紫外線量は紅斑紫外線量の約2倍の量になる関係にあることがわかります。正確には、紅斑紫外線量が0.04 W/m2よりも小さいときのグラフは0点を通る2次曲線になっていますので、精密には0.04 W/m2を境に計算式を分ける必要があります。

いずれにせよ、紅斑紫外線量が分かれば、それを約2倍することでビタミンD生成紫外線量を推定できることがわかります。

よって、紅斑紫外線量を図ることで、ビタミンD生成紫外線量を推定でき、ビタミンD生成紫外線量が分かるので、UVB測定の主目的(飼育している生体が適度な量のビタミンDを体内合成するために必要なUVB(ビタミンD生成紫外線)を浴びられているかを確認する)を果たすことができることになります。

なお、同サイトに記載されている通り、体内で生成されるビタミンDの量は、①体内でビタミンDを生成する際の効率性、②スキンタイプ(日焼けしやすいかどうか)、③紫外線に当たる皮膚の面積、④紫外線に当たる時間、⑤ビタミンD生成紫外線量から計算できます。


紅斑紫外線量とUVI

まず、UVI(UVインデックス)は「UVインデックスとは紫外線が人体に及ぼす影響の度合いをわかりやすく示すために、紫外線の強さを指標化したもの」(気象庁)です。UVインデックスを利用することで、適切な紫外線対策を行うことができます。数字が大きいほど、紫外線が強いことを表しています。

UVインデックスに応じた紫外線対策
(出典:https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/3-50uvindex_manual.html)

このUVIの計算は以下のように行われます。この節では、気象庁の定義に合わせて、UVCは波長100~280nm、UVBは280~315nm、UVAは315~400nmとします。

まず、下の図をご覧ください。3つのグラフで共通して横軸は光の波長を表しています。

上段のグラフは光の強さを表しており、太線が地表、細線が大気外での強度です。太陽から地球に届いた光は、細線で示したが強度を持っています、地表に届くまでに太線の強度になります。オゾン層での吸収により、特に290nmより短い波長の光は地表まで届きません。

中段のグラフは、CIE作用スペクトルと呼ばれているもので、波長ごとの人体への影響度を表しています。紫外線で皮膚がんになるという話もありますが、波長が短い紫外線は人体への影響が大きいです。(とはいえ、上段のグラフから、人体への影響が大きい波長の光は地表に届く量は少ないことがわかります。)

下段のグラフは、前出の紅斑紫外線の強度で、人体への影響の大きさの視点で見た波長毎の強度とも言えます。このグラフは何かを測定した結果をグラフ化したものではなく、上段と中段のグラフを掛け合わせることで作成されています。

UVインデックスの概念図
(出典:https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/3-51uvindex_define.html)

人体への紫外線の影響は、紅斑紫外線の強度のグラフ(下段)の数値を右端から左端まで全部足し合わせたものと考えられます。(正確には250nmでの数値から400nmでの数値までを足し合わせますが、地上での290nm以下の紫外線は実質的に0と見なせますので、実際には290~400nmの間の数値を足し合わせることで十分です。)

実際の計算では、各波長での強度の数字を一つずつ足すのではなく、積分を行うことで、グラフの青線よりも下の部分の面積を求めていますが、足し合わせるのと同じことです。

ここで得られた数字(各波長ごとの強度を足し合わせた数字)が、紅斑紫外線量と呼ばれています。

紅斑紫外線量は数字が大きくて扱いにくいですし、単位がmW/m2だったりW/m2だったりで分かりにくいのもあるので、単位がmW/m2のときは25で割り、単位がW/m2のときは40をかけることで、1~10強の数字に変換したものが、UVインデックスです。

参考)https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/3-51uvindex_define.html

このように、UVIは紅斑紫外線量を表す数値なので、UVIを測定する = 紅斑紫外線量を測定する = ビタミンD生成紫外線量を測定する = UVB測定の主目的(飼育している生体が適度な量のビタミンDを体内合成するために必要なUVB(ビタミンD生成紫外線)を浴びられているかを確認する)を達成できる、ことになります。


また、上記は、計算のもととして使ったグラフ(上段のグラフ)が地表に届いた太陽の光の測定結果でしたが、これを、紫外線ライトの測定結果に置き換えることで、紫外線ライトのUVIを得ることができます。


結論

UVBの効果の測定は、UVインデックスを使うことで推定できます。

ネット通販サイトを色々と調べて、UVI測定器を購入しました。


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